イ)水路の構造 |
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3面とも土の構造で、法勾配は緩やか(一割以上)にし、単一断面とせず、水路内で平面での変化(カーブやワンド)、縦断での変化(深み・瀬)、横断での変化(深み・浅瀬)をつけましょう(最低水深の目安:対象魚の体長の3倍「川のHの条件」・森下著参照)流速は10cm/sec程度以下になる縦断勾配としましよう |
ロ)水田との関係 |
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周囲の水田所有者の理解が得られるなら、水路敷きの高さを水田面より10cmから20cm下げましょう(これ以上下げると水路と水田間の移動困難)。水田の排水機能を確保しつつ水路を造る場合は,水田排水占用の水路と生き物占用の水路を併設する(二階立て水路等)ことが必要です。 |
ハ)水路単独の場合 |
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水路構造はイ)を参考としますが、特に留意すべき点は 洪水時の待避場所の確保と、非かんがい期の溜まり場の確保です。また鳥等から隠れるためのオーバーハングや抽水植物等の繁茂が重要です。メダカについては浅場が必要です。 |
ニ)植栽計画について |
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水路には放置して置いても水田雑草や、水生植物が生えて来ますが、隠れ家や産卵の場を確保する意味からも、地域で確保できる抽水植物(ショウブ・ミクリ・カキツバタ等)をワンド部や、水際部にかたまって植えるとよいでしよう。 |
ホ)その他 |
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水路は閉鎖系でなく、他の水路とネットワークができるようにしましょう(生態系の復元は自然の力に依存した方が良い) |
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餌の供給がどこからかを考えておく必要があります(水田の排水等が入らない場合) |
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非かんがい期に水が必ず確保されることは確認しておく必要があります(不安定な要素があれば地下水汲み上げ等) |
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水路の長さは最低でも100m単位が望ましい(数多い個体群が生存できる様にする)でしよう |
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水路の管理(水路形態の修復や除草)や追跡調査・監視活動等を行う地域のボランティアグループ立ち上げが絶対必要です |
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